カギの修理交換、メンテナンスに!錠前の取り外し方法基本の3パターン


カギの修理や交換、メンテナンスなどにおいて錠前を取り外す必要があると思います。
この記事では錠前の取り外し方を専門用語を出来るだけ使わずに一般の方にも分かりやすく解説いたします。

錠前の取り外し方には大まかに分けて3つのパターンがあります。
ここでご紹介する3つの取り外し方法を知っていれば、一部例外はありますが大体どのメーカーでもどの製品でも応用できるので自分でやってみたい!と思った方はぜひ参考にしてみてください!

目次

自分でできる!錠前の取り外し方法 基本の3パターン

取り外し方はどれ?主な取り外し方法3パターン

錠前の取り外し方は大体どのメーカーであってもどの製品であっても主に以下の3パターンであることが多いです。

  • ビス止めタイプ
  • ピン止めタイプ
  • ねじ込み式タイプ

まずは室内側のツマミを確認しましょう。

写真のようにツマミに2カ所ビスがあるのが見えます。
この場合はもれなく①番のビス止めタイプに該当しますので①番のビス止めタイプの解説から始めていきます。

① ビス止めタイプ

外し方はとても簡単でドライバー1本あれば出来てしまいます。
このビスでツマミと表側の鍵穴シリンダーの両方を固定しています。
なので外す際は鍵穴のシリンダーがポロっと落ちやすいので手で支えながらビスを外しましょう。(写真:1)

ビス止めタイプの錠前はこのビスを外すだけで室内側のツマミと室外側の鍵穴シリンダーと両方がいっぺんに取り外す事ができるので非常に簡単です。
後はドア内部の機械(錠ケースといいます)を取り外してしまえばOKなので次はドア側面にある錠ケース固定ビスを2カ所外していきましょう。(写真:2)
この上下2カ所のビスを外せばこれでドア内部の錠ケースが取り出せるようになります。(写真:3)

以上で①番のビス止めタイプの取り外し方の説明になります。

remove cylinder

② ピン止めタイプ

次は②番のピン止めタイプについて解説します。
先ほど室内側のツマミを最初に確認してもらいましたが、そのツマミにビスが無かった場合
その場合は②番のピン止めタイプか③番のねじ込み式タイプのどちらかになります。

②番か③番かの判別方法としてまずはドア側面のプレートにあるビスを外してみましょう。(写真:1)

プレートを外すと写真のようにピンが4カ所あるのが確認できた場合は②番のピン止めタイプです。(写真:2)

②番のピン止めタイプに該当した場合はマイナスドライバーなどの先端の細いものでこのピンを抜き取っていきましょう。
ピンが固くて取りづらい場合は取り外す方のツマミかシリンダーをドアの方向に強く押さえつけながらだとピンが抜きやすいです。

このピン止めタイプの錠前は4つ並んでいるうち、左側2つのピンは左のツマミを固定し、右側2つのピンは右側のシリンダーを固定しています。(写真:3)

製品によってはこのピンが2本だったり、次の写真のようにU字型のピンだったりする場合もあります。

ピンを全て抜き取り、ツマミとシリンダー両方が外せたら、後は①番の時と同じように錠ケースの固定ビスを外してドア内部の錠ケースを抜き取ったら②番のピン止めタイプの取り外し完了です。

③ ねじ込み式タイプ

最後は③番目のねじ込み式タイプについて解説します。
この3番目のねじ込み式タイプは少しコツが必要なので動画も併せてご覧になるとより理解が深まります。

この取り付け方はその名の通り、シリンダーとツマミをねじ込んで取り付けるタイプになります。
判別の方法はまず室内側のツマミを確認し、ビスが無いことを確認しフロントプレートを外します。(写真:1)
プレートを外したらピンではなく真ん中のあたりにビスがあります。このビスがあればねじ込み式タイプです。
この真ん中のビスをドライバーでゆるめていきます。(写真:2)
このビスはある程度ゆるむと取れずに止まります。この状態でいったん止めます。(写真:3)
このビスはツマミとシリンダーを固定するものなので、このビスをゆるめることでツマミとシリンダーが取り外し可能な状態になります。

それでは取り外し可能な状態になったのでまずはツマミから反時計回しに回転させて取り外していきます。(写真:1)
ツマミの取り外しは簡単ですが、シリンダーの取り外しにはカギが必要です。
今お使いのカギを鍵穴に挿した状態で反時計回しに外します。(写真:2)
このねじ込み式タイプはシリンダーの付け外しにおいて必ずカギが必要です。
もしカギが無い場合は力づくで取り外す事になります。破壊を伴う作業も発生する可能性があるのでこうなった場合は余計な部品を壊してしまわないようにプロに依頼することをおすすめします。
錠ケースの取り外しについては前回と同じく上下の固定ビスを外すだけですので割愛いたします。

これでツマミとシリンダーの取り外しが出来たと思いますが、このねじ込み式タイプの場合は外す時よりも付ける時にコツがいるので取り付けの方法も併せて解説します。

まずはツマミの取り付けからですが、こちらは普通にねじ込んでいけばOKです。
施錠時にツマミが水平、開錠時にツマミが垂直になるようにツマミを押さえながらねじ込んでいきましょう。(写真:1)
止まる位置までねじ込んだら刻印がまっすぐな位置にくるように調整します。
動作確認をし、正常に動作すればツマミの取り付けは完了です。

次にシリンダーの取り付けですが、カギを挿した状態でねじ込んでいきましょう。
ある程度シリンダーが落ちない程度に回したら、カギを水平に持った状態でキープしつつシリンダーを時計回しに締めていきます。(写真:2)
止まる位置まで回ったら次に刻印が上か下にまっすぐな位置になるよう調整します。

調整したら次の2点を確認してください。

  • カギで施錠と開錠ができるかどうか?
  • カギが抜けるかどうか?

取り付ける位置によってはカギが抜けなかったり空回りしたりする場合があります。
この2点が正常ならドア側面のツマミとシリンダーの固定ビスを締めていきます。
止まるまで回したらちゃんと奥までビスがフラットになっていればOKです。

これがちょっと出っぱっていたりしたらうまくフロントプレートを取り付けることが出来ません。(写真:1)
その場合はシリンダーがまっすぐに取り付けられてないという事なのでビスがフラットになるまで、シリンダーの刻印の位置を調整してみましょう。(写真:2)
刻印の位置が上か下にまっすぐなっていればビスがフラットになるはずです。
シリンダーをゆるめすぎると今度はカギが空回りしてしまうので注意しましょう。(写真:3)

固定ビスがフラットになるまで締めることが出来たら動作確認をします。

  • カギで開錠、施錠できる
  • カギがちゃんと抜ける
  • 固定ネジがフラットになっている

以上の3点が確認できたらOKです。
フロントプレートを取り付ければ無事完了です。

基本3パターン以外の錠前

錠前の取り外し方について大まかに分けると基本の3パターンですとお伝えしてきましたが、
それ以外の例外について代表的なものをいくつかご説明します。

1、引き戸錠(召し合わせ錠)
戸建ての玄関や倉庫、プレハブなどで使われる事が多い引戸に関しては使われている錠前の仕組みが異なるため外し方も異なります。
こちらの取り外し方法についてはまた別の記事で解説いたします。

2、プッシュプルハンドル錠
新しいマンションや防犯性に優れた住宅のドアなどで主に使用されています。こちらは基本的にはビス止めタイプの錠前になりますがビスが隠れていたりハンドル部分を外さないといけなかったりと手順が複雑になるため、こちらもまた別途解説いたします。

3、サムラッチ錠
戸建ての洋風のドアでよく使われています。
こちらも基本的にはビス止めタイプですが、ハンドル部分やシリンダーの取り外し手順が複雑になるため別途解説いたします。

Thumb Latch lock

4、公団錠
市営や県営の公団住宅などで一般的に使用されています。
こちらもビス止めタイプになりますが外す所が多く、手順も複雑なため別途解説いたします。

5、ドアノブ錠
こちらも非常によく見かける錠前でドアノブと鍵穴が一体になったタイプです。勝手口や通用口、玄関などでもよく使用されています。
このタイプの取り外し方法や交換、メンテナンスの方法についてはこちらの記事をご覧ください。

ドアノブの修理メンテ交換まるわかり!これでOK!自分でできるシリーズ第3弾